――人造の天使はクローン羊の夢を見るか? その1――

夕日が沈んだばかりの、人気のない公園。
草臥れた風体の男が、ベンチに座り空を仰いでいる。
男:(もうお終いだ……失業保険は来月で切れる……派遣会社からの連絡も来ない……
 ハローワークに行っても求人全く無し……せめて親が生きててくれれば……)
?:「おにーさん、どーしたの?」
男:「!?」
……いつの間にそこにいたのか。
男の目の前には、鮮やかな紅色の髪をリボンで左右に括った少女が、ニコニコと太陽の様な笑顔を浮かべていた。
男:「……何でもねぇよ、アッチ行け」
しかし、男のささくれ立った心には、その笑顔は眩し過ぎて、かえって苛立ちを募らせるモノでしかなかった。
?:「元気のない顔してたらダメだよ。幸せが逃げちゃうよ?」
男:「……ッ、るっせぇ!てめぇみてぇなガキに何がッ……」
そこまで怒鳴ってから、男は漸く頭が冷えたか、気まずげに顔を顰めてソッポを向く。
男:「悪い……でもよ、どうしようもねぇんだ……仕事がなくて暮らしていけねぇんだよ……」
すると、少女は男の隣にぽすんと腰掛けながら、
?:「うーん、確かにわたしは子供だから、おにーさんの辛さはあんまり分からないけど……。
 でも、元気をちょっとだけ分けてあげることはできるよ♪」
男:「ハァ?何だよそりゃ?」
?「ね、ちょっとこっち向いて?」
男「何を……ーーッッ!?」
振り向いた先には、目を閉じて唇を窄めた少女の顔が、大写しになっていた。
続いて、唇に瑞々しく、柔らかい感触――。

そのまま、数秒間固まっていただろうか。
不意に、気づく。唇の合わせ目を、何か柔らかいものがちょんちょんとノックしていることに。
反射的に唇を緩めてしまうと、その柔らかいものは、にゅるりと口腔内に侵入してきた。
歯の表。裏。舌の表。裏。
子犬じみた懐っこさとも、遠慮を知らない不躾さとも取れる動きで、それは口腔内を自由に動き回る。
ぷちゅ。ちゃぷっ。れろ。ちゅうううぅぅぅっ。
絡め取られ、吸い上げられる。背筋を痺れが駆け上り、体が熱くなる。
零れそうになった唾液を反射的に飲み下したところで、唇がやっと解放された。
甘い味が、残る。もしかして、少女の――。
?「……ぷは♪」
男:「お、おまっ、キ、キ、キスッ……!?」
?「あれ、おにーさん初めてだったの?」
男:「い、いや、それはねぇけど……ってヲイ何してやがるーッ!?」
少女が次に取った行動は、男のベルトの留め金を外し、ズボンを引っ張り下ろすというものだった。
?:「だから、元気にしてあげるんだってば」
男:(いやちょっと待て元気の意味が違うっつーかそもそもこんなガキが何でこんな事知ってやがる
 ってかそれ以前にこんな場面他人に見られたらどー考えても通報間違い無しだろ
 でもまぁどーせそう長く生きてられる訳でもないし別に今更どーでも良いか……)

男が自問自答している内に、少女は彼の下半身を剥いてしまい、そのまま躊躇う事もなく顔を寄せる。
男:「ッッッ!?ぐっ、く……!」
?:「んふー、ひもひいい?」
男:「咥えたまんま喋んな……くあぁッ!」
?:「んふふっ、ははふなっへひは♪」
少女の行動に付いて行けず、そのまま暫く良い様に弄ばれてしまう男。
その技は顔に似合わず巧みであった。
竿、袋、頭。全てを舐め上げ、吸い立て、弄り回す。
敏感な部分を、温かく柔らかい粘膜が這い回り、覆い尽くす。
かと思うと奥まで飲み込まれて、激しく吸引される。
その感触、そして何より、見た目が年端もいかないような少女にそんなことをさせている背徳感。
ずちゅる。ぶぷぷぷっ!れるるるるっ!
冷静であればとても聞くに堪えない、卑猥な湿り音が、鼓膜を蹂躙する。
男:「はぁ、はぁ、はぁ、あっ、あっ、あっ……!」
遂に男は堪えきれなくなり、頂点を越えてしまった。
男:「……ッッ、ぐ、があぁッ!」
びゅ!びゅく!どびゅるるるるっ!びゅっ!びゅ!
?:「んぶぅ!?む、むぐー!……ん、んぐっ、ごきゅっ……」
男:「お、おまっ、飲んで……!?(うわ、凄ぇ量出たぞ……気持ち良過ぎ……)」
?:「えへへー、どーだった?」
男:「う゛……(言えるかっ!こんなガキに思いっきりイカされた上、
 今までの誰よりも興奮しましただなんて……!)」
?:「むー、まだ元気にならない?」
男:「え、あ、いや、その……」
?:「それなら、こっちも手加減しないもんね。まだ硬いままだし♪」
そう言うが早いか、スカートの中に手を差し入れ、下着を下ろし始める少女。

男:「だあぁ、待て、これ以上はマズいだろ!?」
?:「大丈夫、任せて♪」
男:「大丈夫の意味が違……うっ、くおおぉぉぉぉ!」
?:「んんん……うふぅ……んん、んああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
少女に跨られたと思った瞬間、猛烈な快感が襲った。
ず、ずぬぬぬぬぬっ……ずちゅっ。
温かく、ぬめったものの中に飲み込まれていく。
先ほどよりもきつく、細かいものが無数にうごめくような、独特の感触。
その部分はスカートで隠されて見えない。
しかし、それがかえって想像を刺激し、思考を真っ白に塗り潰していく。
気が付けば、自ら突き上げていた。
ずっ!ずっ!ずっ!ずちゅ!ぐちゅ!ぐぷっ!
?:「ああぁ……凄いよぉ……おにーさんの……お腹一杯……」
少女は恍惚とした表情で、自らも腰を回転させる。
その度に内部が優しく抱きしめ、甘噛みするように締め付け、
捻るように絞り上げ、奥へ奥へと引き込んでいく。
男:「ふぅっ、ふっ、ふうぅっ……」
そこで、ふと気が付く。
男:「お前、名前は……?」
?「みーや、だよ……」
男:「そか……くうぅっ、みーや、みーやあぁぁっ……!」

もう、何も考えられない。
ただ、膝の上の少女を抱きしめ、快感を貪ることしかできない。
もはや逝きつくところまで逝ってしまわなければ、命の迸りは止まりそうになかった。
ずちゅ!ぐっぽ!ずぶっ!ぬぶぶぶぶっ!
ふと思い立ち、シャツをめくってみる。
ぴんと張った胸があらわれる。
小ぶりで硬さを残していながら、それでいて白く柔らかい。
何より甘い香りを立ち上らせる、未熟な果実。
その頂点にたたずむ、桃色のグミのような尖り。
夢中になって触り、舐め、吸った。
れろっ、ちゅ、ぺろぺろ……。
味などしないはずなのに、あっても汗の塩味ぐらいのものだろうに、仄かな、果物じみた甘ずっぱさ。
切ないものが、胸に広がる。

 

みーや:「あぁ、はああぁぁ、す、凄い……もーダメ……あ、あぁ……」
男:「逝き、そうか?くうぅっ……」
みーや:「う、うん……ね、一緒に……」
腰がどんどん速くなる。もはや疾走といってよかった。そして、少女もまたそれに応えた。
ずっ!ずっずっずっずっずっずっ!
あと僅か。もう手を伸ばすだけで、扉が開く。
男:「あぁ……逝こう、一緒に逝こう……!」
みーや:「ああぁぁぁ、中でお、おっきく……ダメ、ダメ、ホントにもぉダメぇ……!!」
お互いを命綱としてひしと抱き合い、空へと一直線に駆け上る――!
そして。
男:「くうぅっ、で、出るっ……!!」
みーや:「い、逝く、逝くぅ、逝っくうううぅぅぅぅぅぅっ!!」
遂に、終焉のときがやってきた。
どくんっ!!
「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーっっっっ!!!!」」
二人の叫びが重なった。
びゅうううぅぅぅ!どくん!どくんっ!びゅる!びゅくぅっ!びゅうううううぅぅぅ!
あまりの快感で腰が痙攣したようにがくがくと震え、魂ごと溶けて流出するような錯覚が襲う。
放出が続く。長く長く続き、体中の水分が出て行ってしまったのではないかとさえ思った。
少女もまた快感に飲まれ、白目を剥いて舌をだらりとたらし、
男にしがみついたまま大きく仰け反り、体を震わせている。

二人の嬌声は確実に周囲の家々には聞こえていた筈なのだが、何故か誰も出てくる気配がなかった。
そのまま二人は、暫く荒い息をつき、余韻を楽しむ。
そして、気が付けば、空は完全に闇色に染まり、小さな光の欠片が所々に瞬いていた。
みーや:「ん……そろそろ、帰らなきゃ」
男:「あ、あぁ、そうか……ありがとな」
少女が腰を上げる。ちゅぽん、と濡れた音がした。
男は一瞬、永遠に少女の中にいたい、などと思ってしまった。
少女のほうは先ほどまでの乱れようなど微塵も感じさせぬまま、軽やかに男の膝から飛び降りた。
みーや:「えへへ……元気出たみたいだねっ♪」
男:「あ……」
気が付けば、心に蟠っていた閉塞感が、綺麗さっぱり消え失せていた。
 もちろん、それが一時凌ぎに過ぎない事は良く分かっていたが、それでも充分だった。
男:(取り合えず、もうちょっとだけ頑張って生きてみよう……。
 もしかしたら、明日にでも運良く仕事が見付かるかも知れないし、
 絶望するのは本当にどうにもならなくなってからで良いや)
男:「あ、あのよ、今日はマジありが……あれ?」
ふと前を見ると、もう少女はいなくなっていた。来たときと同じく、唐突に。
まるで、夢でも見ていたかのようだった。
男:「へぇっしょん!」
いや、夢ではなかった。……その証拠が丸出しの下半身というのは些か締まらないが。
男:「(また会えるといいな……)さて、俺も今夜の寝床を探すか」
彼にきまった住居はなく、安い漫画喫茶やネットカフェを転々としている。
男はよっこらしょと立ち上がり、公園を静かに後にした――。

  FIN

作:AVENGER 様



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