b-0338が食肉としての最後を遂げてから一週間が経った…
私はあの娘に頼まれていることがあり彼女を呼んだ。

「失礼します」
「サキ君、待ってたよ」
「旦那様、ご用とは?」
「あの娘にこの写真を渡すように頼まれてたんだ」

「とても幸せそうですね」
「・・・」
「いかがでしたか、この子は?」
「ああ…楽しませてもらったよ」
「それは何よりです」
「とても食肉として教育されているみたいだね」
「はい、食していただく事を一番と教え込んでいます」
「そうか…」
私は棚に置かれている写真を眺めた。
「一年前に事故で亡くされたお嬢様ですか?」
「ああ、本当は私はb-0338を娘としてほしかったのかもしれないな…」



「私はあの時から壊れてしまっているのかもしれない。
 女の子を買ってしまい、そして食してしまうなんて…」
「いえ…」
「こんな残酷な事をして何も感じない自分が怖いよ…」
「この娘はただの食肉…食される為に生きてます」

「・・・」

「それではわたしはこれで失礼致します」
「サキ君、もうこれ以上は…」
「旦那様、それ以上はおっしゃらないでください」
「サキ君…」
「また…また来ます、その時は…」
そう言いかけて彼女は微笑み部屋から出て行った。

これでよかったのだろうか…このままでいいのだろうか…
私はb-0338の最後の顔が頭から離れなかった…




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